| 生糸は明治以降、わが国の輸出品目の王座を占めて、世界にその名声をとどろかせ、繭は農家の米に次ぐ重要農産物であった。第2次世界大戦の影響で、繭、生糸とも減少し、戦後かなりの復興を見たものの、経済の高度成長下の現在では、生産量は需要をみたすまでにいたっていない。
近年、ナイロンその他各種の合成繊維や、化学繊維も改良されてきているが、絹は依然として繊維の女王であり、優雅な光沢と豊富な染色性、優れた弾力性、強靭性ならびに適度の吸湿性、保温性など衣料繊維として、優れた特性をそなえており、これらの特性を生かす、絹の品質改良の研究がさらに進められている。最近では繭の生産量が、生糸絹織物の需要の増加に追いつけない状況である。
また、戦後急速に普及した稚蚕電床育は、農林省蚕糸試験場の桑野技官によって案出されたものであり、その後の進歩によりこれからも急速に普及発展するものと思われる。
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